網入りガラスの熱割れ発生が多い時期になってきました。そうです、主に温度差が生じて自然破損するのが熱割れ現象です。

悪条件が整うと新旧問わず亀裂が入ります。酷い事例になると「毎シーズン交換する」という事案もあります。
このような場合の多くは「ワイヤーが入っているから割れる、ならばワイヤー無にしてください。」といわれます。

一般的なワイヤ―無の板ガラスでは、法律違反になることがありますので、勝手にワイヤー無にはできません。
なぜなら、網入りガラス=防火ガラス だからです。
防火地域や準防火地域に建物を建てる場合、火災発生時の延焼防止から窓によって防火ガラス(防火窓)を使用しなければなりません。
当該物件が当てはまる?当てはまらない?の調査は、各行政の都市計画課に依頼すると調査してくれるはずです。

網入りガラスを使わなくても良い窓の場合は、ワイヤー無の一般ガラスで交換すれば良いでしょう。
網入りガラス等の防火ガラスを使わなければいけない窓の場合は、同じタイプの物で交換するか再発防止の心配が少ない「パイロクリア」(耐熱強化ガラス)にする必要があります。

パイロクリアはワイヤー無ですが、正真正銘の防火ガラスです。ワイヤーが封入されていませんので、網入りガラス特有の熱割れや錆割れ等の心配がほとんどありません。

下記の事例は賃貸マンションです。
もともと網入りガラスが入っていましたが、再発に悩まされていたそうでオーナーさんからご相談を受けました。

熱割れ施工前

熱割れ施工前

協議の結果、再発率が少ない「パイロクリア」に全交換しました。

熱割れ対策後

熱割れ対策

パイロクリア

賃貸の場合は不特定の方々が入居しますので、ガラスに配慮してくださいと伝えたところで守る人は少ないと思います。
特に「窓際に物を置くな」、「濃色遮光カーテンを閉めっぱなしにするな」、「結露はまめに拭き取れ」みたいなことをいったら、入居率も悪くなる可能性があります。
おまけに「割れるたびに立会い」が必須となるので、面倒がって大抵は退去後の修繕になります。割れたガラスを放置することはとても危険な行為なのですが、実態は放置します。

「パイロクリア」は網入りガラスと比べ若干高価になりますが、長い目をみるととてもお得なことだと思います。
度重なる網ガラス割れにお困りの方は、ぜひご検討ください。

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